ニキビ外来
にきびとは、皮膚科学にいう“ざそう”という一種の毛のう炎で、思春期を境にして憎悪するものと、お化粧を始めた頃から出現し悪くなるものがあります。要因としては
(1)ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れからくる皮膚分泌の亢進。
(2)性ホルモンのアンバランスによるもの(生理不順)
(3)便秘・肝臓の機能の低下により体内毒素ができ皮脂腺を刺激して皮膚分泌が亢進。
(4)油性化粧品の乱用によるもの。
(5)ビタミンB6・B2の不足による皮膚脂性傾向(偏食)
等が挙げられます。ここで、当院における治療法について簡単に説明します。
- 内服薬
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○ ビオチン
ビタミンB群の一種です。当院では、ビオチンを腸内細菌叢改善、便秘解消の意味で使用しています。○ 漢方
排膿散及湯・・・ニキビの赤みや腫れを抑え、排膿促進効果があります。
十味敗毒湯 / 荊芥連翹湯・・・ニキビの赤みや腫れを抑えて、膿を排出させるだけでなくニキビのできやすい体質を改善する効果があります。○ 抗生物質
重症なニキビの場合、ミノマイシンやルリッドなどを処方します。 - 外用薬
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従来のアクアチムクリーム、ダラシンゲル(抗菌剤)の塗布の治療に加え様々な選択肢の外用薬が増えました。
○ ディフェリンゲル
ディフェリンゲルは目に見えるニキビだけでなく、ニキビの前段階である微小面ぽうの発生や炎症の強いニキビへの進行を防ぐため、ニキビの周辺を含めた広い面での塗布を行います。治療の副作用として「赤み」や「皮膚の皮むけ」が起こることが多くありますが、治療を続けるうちに軽減していきます。○ ベピオゲル
ベピオゲルは抗菌作用でニキビの原因菌(アクネ菌など)が増えるのを抑えるだけでなく、マイルドピーリング作用により毛穴のつまりをなくすことで、ニキビのできにくい肌を維持することに役立ちます。治療の副作用として「赤み」や「ヒリヒリ感」が起こることもありますが、ディフェリンゲル同様、治療を続けるうちに軽減していきます。○ ゼビアックスローション
キノロン系の外用抗菌剤で、細菌のDNAの複製を阻害することによる殺菌作用があります。炎症を起こして赤くなったニキビや、皮膚の細菌感染症を治療する薬です。1日1回、患部に塗布します。ニキビに使用する場合は、洗顔後にご使用ください。○ エピデュオゲル
アダパレンと過酸化ベゾイルの 配合剤です。アダパレンは表皮の分化を抑制することで、毛穴の閉塞を防ぎ、ニキビの形成を抑制します。過酸化ベンゾイルは、ニキビの原因菌の増殖を阻害したり、毛穴の閉塞を改善させます。赤ニキビ、白ニキビ、黒ニキビなどに効果があります。1日1回洗顔後、就寝前に患部に塗布します。○ デュアック配合ゲル
デュアック配合ゲルは、過酸化ベンゾイル(ベピオゲルの主成分)とクリンダマイシン(抗生物質)の2つの有効成分の異なる作用メカニズムによって角質剥離作用、抗菌作用、抗炎症作用を発揮し、ニキビを治療するお薬です。炎症が進行した赤いニキビに対して相乗効果があり、より素早くニキビの炎症を治すことが出来ます。長期使用すると、抗生物質クリンダマイシンに対する耐性菌が作られるので、3か月を目途に使用します。1日1回、夜に塗布します。 - スキンケア(自費)
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・スキンスクライバー・・・毛穴の洗浄をすることでたまっている汚れや余分な皮脂を除去します。
・アスコルビン酸(イオン導入)・・・ニキビの原因である皮脂の酸化をおさえ、色素沈着を防ぎます。
・アクネ・ピーリング・・・角質を除去し、皮膚の新陳代謝を活発にします。
・サリチル酸マクロゴールピーリング・・・皮膚に化学薬品を反応させ、表皮真皮を一定の深さで剥離させます。
・アクネ・レーザーケア(ジェントルレーズによるポイント照射)・・・表面から軽い刺激を与えることで強い赤みが残ったものや皮膚の隆起が改善されてきます。(緊急ニキビ治療)
・I2PL(光治療)・・赤みに効果的なアプリケーター(PR)を使用し照射します。○ 平日限定(月~金:17時までのメニュー)顔全体の毛穴の洗浄付き
ジェントルレーズフェイシャル(脱毛効果があるので、産毛の多い方はニキビの軽減にもなります。) - 低用量ピル
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尋常性ざそう(にきび)は、通常は軽症で一時的な皮膚疾患と思われていますが、重度な症状も起こる場合があります。発症のピークは思春期後期(この時期に男性ホルモン分泌が増大)であり、ストレスが原因のアダルトニキビも男性ホルモンが影響しています。低用量ピルの服用で二次的効果としてにきびが改善されるため、これまで第1、2世代のピルが使用されてきました。しかし、これらには黄体ホルモンに内在する男性ホルモン様作用により、多毛症・肥満・男性化症状・まれににきびの悪化等の副作用が問題でした。「マーベロン28」は第3世代のピルで含有されているデソゲストレルは男性化作用がほどんどないため、「太らないピル・美しくなるピル」と言われ、お勧めしています。
○ 用法・用量
1日1錠を毎日一定の時刻に計28日間連続で内服する。
その後も同様の方法で、避妊する期間繰り返し内服する。
(月経開始第1日目から服用開始する。)
※月経間隔が確立されていれば中学生や高校生でも治療は可能です。
※現在は血液検査不必要(血圧測定のみ)で低用量ピルを処方可能です。
(新しい低用量ピルの使用に関するガイドラインで、子宮頚部細胞診やクラミジアなどの検査も必須ではなくなりました。)